子供の頃のテレビは富の象徴だった

テレビが我が家に来た日を憶えています。
古い話です。
60年も前のことですから。
当時、私は小学校3年生だったと思います。
その当時の我が家は、県営住宅を払い下げてもらった住宅に住んでいました。
当然、同じような家がたくさん並んでいたのですが、どの家にもテレビアンテナがキラキラと立っていたんです。
ところが我が家だけ、それがない。
それが子供心にとても切ないわけです。
小学校が坂の上にあり、郊外学習に出たときなどみんな「あそこにもテレビがある、こっちにもある」とアンテナを見て話しているのですが、我が家にはそれがない。。
子供ながらに、肩身の狭い思いをしていた気がします。
それは、兄や姉たちも同じだったようで、兄の発案で、5円づつ出し合ってテレビを買うために貯金しようということになりました。
当時のテレビがいくらしたのか分かりませんが、5円の貯金で何ねんかかるやら…。
でも私たちは本気でそう思っていたんです。
どうして我が家だけテレビがないのか、買ってほしいなんて親には言えません。
そんなことを言ったら、親が悲しむことは分かっていました。
今思うと、子供というものは家の経済状況を結構、わかっているものなんだと思います。
テレビが我が家に来た!

そのうちにテレビが我が家にもやってきました。
当時は月賦と呼ばれていましたが、いまでいうローンで買ったわけです。
勿論、屋根にはアンテナが立ち、ようやくテレビのある家になったのでした。
テレビがあるとお金持ち、私はそう思っていました。
初めてのテレビは、楽しかった~。
ひょこりひょうたん島は今みても斬新だし、歌番組もたくさん放送されていました。
ザ・ピーナツとクレージーキャッツの歌番組(しゃぼん玉ホリディーは、日曜日の夕方、六時ころの放送でしたよね。
家族で見てました~。
あのころ、テレビは一家団欒の象徴ともいえるものでしたね。
私は子供でしたが、テレビの画面いっぱいに歌手の顔がアップされると、何か恥ずかしくて見ることができなかった。
テレビ画面の向こうの人が、身近に感じられるのが不思議でした。
テレビを無くしたら時間ができた
時は流れて60年。
嫁いだ先が私の我が家になりましたが、テレビはいま、我が家には一台もありません。
多いときには、六台はあったと思います。
部屋とテレビというのが、セットになっていた感じで、部屋に入るとテレビをつけぼんやりとみていました。
NHKの集金が来たらハッキリ断れるように、アンテナも撤去しました。
幼いころ、富の象徴だったテレビアンテナが、断捨離される時代。
亡くなった父が、テレビをみてると馬鹿になる、と言ってテレビ好きな母とよく喧嘩していたことを思い出します。
テレビの断捨離効果は、なんといっても自由な時間が増えたことでしょうか。
食事も静かにできるので、会話も増えた気がします。
テレビの断捨離の方法と料金
テレビを処分するときには、家電リサイクル法に従ってリサイクル料金がかかります。
テレビのリサイクル料金は、メーカー毎に違っていまして一台につき、4000円~5000円は払いました。
アンテナを撤去するのに、10000円くらい。
ちょっと料金はかさみますが、一度で済みますし、アンテナのない屋根はすっきりしてペンキの塗り替えも楽になりますね。
テレビを見ない時間は何をしているかと言いますと、パソコンです。
夫はパソコンで天気予報やニュースを、私はブログをみたりユーチューブで音楽を聴いたり。
テレビであれば、流されたものしか見れませんが、パソコンは自分の好みのものを検索して探し出す能動的なものなので、頭の体操にもなり老夫婦には合っています♪
テレビの断捨離効果で電気代も節約できた

生活をスリムにするために始めた断捨離ですが、テレビの断捨離で電気代も節約できた気がします。
夫も私も長時間テレビをみるタイプではなかったのですが、おじいさん、おばあさんが存命中は常にテレビがかかっていた状態でした。
お祖父さんは耳も遠くなっていたので、びっくりするほど大きな音量で水戸黄門などみていました。
いま、断捨離できるのは、2人が亡くなったからでもあるんです。
テレビはお年寄りの楽しみでしたので、取り上げるわけにはいきませんでした。
テレビが生まれて60数年になりますが、テレビ離れは加速しているようですね。
テレビの断捨離はちょっと手間がかかりますが、自由な時間が増えるのでお薦めです!
