
ケアハウスに入居の契約に、兄が新幹線で来てくれました。
こういう施設はお金がかかるため、保証人がしっかりしていないと、
入居の許可がおりません。
また、毎月の支払いは、母の通帳から引き落とされます。
つまり、本人に収入がなければ、施設には入れないのですね。
幸いにも母には、父の年金が半分おりていて、
それに自分の年金を足すと支払いはできると判断されました。
よく父が生前、自分が死んだら半分は母さんにいく、と話していたのですが、
本当にそのとおりで、この年金がなければ母はどうなっていたのか。
そう思ったらゾッとしました。
お金って本当に大事。
この父の半分の年金がなければ、子供たちが負担しなければならず、
それを思うと父には感謝の気持ちしかありません。
父は母のみならず、私たち家族の生活も救ってくれたのですから。

johnhain / Pixabay
ケアハウスに入居の日、母は不安そうでした。
近所の人も集まってきて、
「まだ、早いんじゃないか」「かわいそう」
などと言われました。
近所の人がそう思うのも無理がありません。
認知症という病気は、家の人にしかわからない。
他人に合うとシャッキッとして、受け答えも普通なんです。
娘の私でさえ、ずっと信じられませんでした。
あの明るい社交性のある母が認知症なんて・・・。
そんなタイプではない人なんです。
外面の良さは驚くほどです。
他人に親をそんなところに入れてと非難の目でみられながら、
介護をする身に、
なったことにはわからない介護の辛さ。
これは体験しないとわからない、
体験したってその体験は個々様々ですから、
耐えるしかないのです。

Pezibear / Pixabay